( 入院5日目 )
退院日の予定
目標:退院後の生活が理解できる
● 退院診察があります
● 医師が診察して異常がなければ傷の保護なしでシャワーに入れます
(入院診療計画書から抜粋)
今日は病院は休診日、主治医もいないそうなので会わずに退院です。
廊下側はつらい
ご飯を食べるときくらい外の風景が見たいなって思いました。
カーテンに囲まれながらの食事はもう嫌だ。
私のベッドから対角線にあるベッドには誰もいません。
そのベッドを囲うカーテンと窓のレースのカーテンを開ければ私のベッドからでも外が見えます。
昨日夜、試しにそのカーテンを開けてみたら、夜の風景が少し見えました。
今朝も同じようにして朝食を食べようとカーテンをずらそうとしたら、私の向かいに入院している若い妊婦さんと目があいました。
彼女もその空いているベッドの方向のカーテンを開けていたからです。
一瞬、気まずい空気を感じましたが「朝ごはんの時だけ開けさせてもらいたくて」と言うとうなずいてくれました。
この日もとても晴れて天気がよく、すごくさわやかな気持ちで朝食をとることができました。
もっとおしゃべりしたかった
退院ですが落ち着かなくて朝から廊下をふらふら歩いていました。
今日も病院は休診日なので病棟は静かです。
廊下で昨日の夜に話をした人に出会いました。
彼女の同室の患者さんと3人でいて、3人とも乳腺科の患者さんだそうです。
なすみ こんにちはお先に退院します 患者さん もっといろいろ話したかったわ
そして初めて顔を合わせたお二人も「あらー、退院なのね、お大事にね」と言ってくれました。
こっちの大部屋だったらよかったのになと思いました。
楽しそう。
同室の妊婦さん
荷物を整理していたら同室の若い妊婦さんから声をかけられました。
声をかけられるって思っていなかったので驚きました。
「お世話になったので」とアメをもらってしまいました。
入院中、私は2回ほど彼女に声をかけていました。
しかし、結局なんの役にも立てなかったので気を使わせて悪かったなと思いました。
お湯の場所
術後1日目の夜、妊婦さんのベッドから面会の家族との会話が聞こえてきます。
どうやらインスタントのスープを飲むためのお湯がなくて困っているようです。
この病院の最大に不便なところは熱湯がないことです。
普通はデイルームに給湯機が置いてあって、お茶やお湯を自由に飲めるようになっていると思いますがここにはありません。
入院案内のときに、お湯はデイルームの水道からしか出ませんと言われました。
熱湯ではなく、家庭にあるお湯と水が分かれて出るタイプの古い水道の仕様で最大に熱くしたとしても、飲むにはちょっとぬるいです。
インスタントに使うとしてもぬるいですがないよりはいいかなと思って声をかけてみました。
そのお湯を利用してみたようですが、やっぱりぬるすぎたみたいです。
言わないほうがよかったかな。
お茶
次の日の朝のことです。
暖房がかかっているとはいえ朝は冷えます。
食事にはあったかいお茶がついてきますので身体があったまります。
カーテン越しに会話が聞こえました。
妊婦さん おかわりはもらえるんですか? ナース ありませんナースの返事の言い方がすごく冷淡でびっくりしてしまいました。
そんな言い方しなくても・・・「おかわりはないんです、ごめんね」とか言えばいいのに、彼女は食欲がなくお茶くらいしか口にできないのに可哀そうと思いました。
あたたかい飲み物が飲みたければ自販機で買うしかありません。
でも彼女は病室から出ることを禁止されています。
なすみ よければ、代わりに自動販売機であったかいの買ってこようか?彼女は突然話しかけられたことに驚いたような表情をして、
「あ、大丈夫です」と返答しました。
お金をどうするとか全然考えずに声をかけてしまいました。
このように彼女に対してなんの役にもたてませんでした。
それなのに「お世話になりました」と言われてとても恐縮しました。
休日の退院手続き
そういえば昨日、退院の説明でナースが「入院費を後で伝えますね」と言っていたのですがその後来ませんでした。
今日の担当ナースに聞いてみました。
「ちょっと確認してきます」と小走りにナースステーションに戻っていきました。
そして、昨日は休日だったので事務からお知らせがなく、今日も休みの日なのでお支払いはできないということがわかりました。
次の外来で支払うことになるので今日は窓口で書類にサインだけすればよいそうです。
昨日のナースも今日のナースも病院のことをわかっていなくてびっくりしました。
意外と混んでる
午前中に退院します。
まだまだ動かしにくい身体で荷物を持って手続きするのは大変です。
荷物は病室に置いておき、手続きだけ先に済ませてしまおうと思いました。
一応ナースにことわってから身軽な感じで救急外来の受付まで下りました。
10時少し前に救急外来につきましたが、休日なのに私以外にも退院の手続き、入院の手続きをする人で狭い空間が混みあっていました。
手続きする人は多いのに受付には一人しかいなくて、事務の人も大変そうでした。
入院時に保証人の書類を提出しているのですが、今度は「診療費請求確認書」という似たような書類に住所氏名を記入するように求められました。
アンケート
病棟から入院生活についてのアンケートをもらっていたので記入しておきました。
直接ナースに渡すには正直にいろいろ書きすぎています。
ナースステーションの前にアンケート回収ボックスがありましたが、今日入れたら私が出したことは明らかです。
外来にご意見回収ボックスがあったのでそこに入れておきました。
これで手続き終了。
病室へ戻り、若い妊婦さんと本日の担当ナースに挨拶をして病棟を出ました。
あー退院だ!
やっほー!!
どうやって帰るか
一人で帰る
父が来ても、その言動にイライラするだけだろうから迎えは必要ないと言っておきました。
前回の入院時にさも当たり前のように「(退院の時は迎えに)行かなくていいでしょ」とか言い放ったからね。
絶対忘れない。
ギリギリまで迷う
私の選択肢は「タクシー」か「バス+電車」です。
タクシーだと家まで8,000円かかります。
そんなに払うのはもったいないと思ってしまいました。
荷物をもって病院の入口までおりてきてからもどうしようか悩みました。
荷物はぎゅうぎゅうに中身がつまったリュックとボストンバックです。
本当は宅配便で送ろうと思っていたのですが、コンビニに手荷物用のビニールの入れ物の取り扱いがなかったので諦めました。
予定が狂いました。
アドリブがきかない性格なので他に方法が思いつきません。
持って帰るしかありませんが、重いものを運ぶのはまだNGです。
これで傷がどうかなったら先生に顔向けできない。
でも、根拠のない自信があったので気にせず病院を出ました。
バスと電車で帰る
バス
バスはガラガラだったので問題ありませんでした。
ただ、乗り間違えました・・・。
バス停で一緒に待っていた人も同じように乗り間違えたようです。
バスの中をキョロキョロしていたので、私と同じようにちょっと焦ったのでしょう。
終点は電車の駅です。
電車を乗り継げば帰れるのでバスに乗ったままにしました。
電車
電車は混雑とは言わないまでもまあまあ人がいました。
乗っているときや乗り換えをするときは荷物が大きいので人に当たらないように歩くのに気をつかいました。
まだ、手術の影響で疲れやすくなっているので普段よりもだいぶつらかったです。
途中でちょっと無茶だったかと心が折れかけましたが、頼る人はいないので自分で自分を励ましました。
無事帰宅
家についたら、プツっと緊張の糸がきれました。
疲労と気が抜けてしまったのとで着の身着のまましばらく動けませんでした。
ぼんやりしていたら眠くなってしまいました。
その辺に上着や防寒具を脱ぎ散らかして、数時間ねてしまいました。
久しぶりの自分だけの空間です。
日常に戻ってこれたと思いすごくほっとしました。
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